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独学ピアノの記録
「21世紀へのチェルニー」まとめと感想
2016年09月18日 (日) 10:43 | 編集
以前は、ツェルニーが絶対だった時期もあったようですね。今はそんなことはないですが、ツェルニーについての現状とか、他の練習曲のこととか知りたくて、「21世紀へのツェルニー 山本美芽 著」を買ってました。簡単にまとめて感想書きます。

①日本でツェルニーが使われるようになった理由、全ての国で使われているのか?
ツェルニーは、日本でなぜ広かったか→テクニックをはかるグレードとして、他にあまり教材がなかったからでもある。そして現在のような使われ方に至る。
あまり使われていない国も多い。例えばドイツでは、100、40、50が抜粋で時々弾かれるが、30はほとんど存在が知られていない。ツェルニーを使わなかったピアニストもいる。
バレンボイムはメカニック面はバッハと部分練習。リヒテルはツェルニーどころか、音階も訓練もやったことがないと明言している。
逆に、よく使われている国は、中国と韓国で30と40、中国では40番併用で24の練習曲も全部弾かされることが多い。

②ツェルニーがもつ機能
・譜読みの負担が少ない
練習曲には、スケール・アルペジオ・同音連打・和音・その他(左手・指の独立・トリル・3度・6度)が含まれているもので、どの練習曲をやっても力はつくが、ツェルニーは練習曲の中でも、譜読みの負担が少ないので、反復練習に集中できる。

③ツェルニーの効果的な利用法
・30~50を全てやるのではなく、生徒に必要なテクを見極めて抜粋でやらせる。
・1曲に1か月以上かけない(1つのことに長く時間をかけすぎると他のことが出来ない)、上手く弾けなくても2~3週間程度で切り上げて次々に弾いていれば、似たようなテクニックが出てきたときに自然に弾けるようになっている。
・短いエチュードを取り入れる
100番、110番、125番、毎日の練習曲のような短いものを取り入れることで、集中して短時間で仕上げる。

④ツェルニーに偏る問題点
・古典派に偏っている。
右手がメロディー、左手が伴奏であり、黒鍵の練習が少ない、和音やオクターブが少ない。

⑤その他、とりわけ重要なこと
・テクニックのもとは耳。弾けない問題はどこにあるのか見抜く判断力と耳がないとリズムが転んでいても自分では分からない。人の演奏を徹底して聴くことで耳が養われる。
・好きなものに対する好奇心や欲求が体を集中状態にさせる。好奇心や欲求などの感情は「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン」という脳内物質を発生させ、動物が自らの命を守るために体を緊張させるのと同じ集中状態になる。→つまり、つまらんと思うものをイヤイヤながらやっても効率が悪い。

他の練習曲として、ケーラー、クラーマー、クレメンティ、ブルグ、コンコーネ、ヘラー、ブルグ、モシュコフスキー、モシェレス、ベレンス、ベルティーニ、レッシュホルン、それから指練本として、ピッシュナ、コルトー、ブラームスが解説付きで紹介されています。

「音楽作品をエチュードとして使う」、という最終章には、ピュイグ=ロジェ教本、ミクロコスモス、Miyoshiピアノ・メソードが紹介され、平均律のプレリュードを利用する方法が書かれています。
ロシアの名ピアニストにして名教師のネイガウスは「ピアノ演奏芸術」という本で、
「1巻の2,3,5,6,10,11,14,15,17,19,20,21 、2巻の2,5,6,8,10,15,18,21,23という平均律21のプレリュードをしっかり学ぶことで、非常にためになる50の練習曲を省略することが出来るでしょう。この助言が、教育関係者の間で、ある種の不満を生むだろうことも分かっています。それでもなおこれを勧めるのです。」と述べているそうです。
また、バロック小品には、スケール・アルペジオ・5指の独立・トリルなどが音楽的な表現と結びついた高度な形で使われているという解説がありました。


さて、個人的な感想ですが、やはり、赤文字にした、「つまらんと思うものをイヤイヤやっても非効率的」というのには科学的根拠もあることから大変納得です。ツェルニー好きな人は活用し、ツェルニーが苦痛な人はやらないほうがいいということですね。

僕自身、ツェルニーは好きな曲もあるし好きでない曲もある。してもしなくてもいい、その人の志向に合わせてすればいいと思っています。ただ、やはりツェルニーは古典派(ベートーベン・モーツァルト)を弾くには、いい練習曲だと思うけれど、ロマン派を弾くにはモシュコフスキーやクラーマーをやったほうがいいと思っています。(モシュコフスキー20は以前音源を聴いて、自分でも2曲やってみたけれど、テクニック面の網羅のされ方、曲想の美しさもなかなかでした。)
でも、それ以上に、これを読んだ感じも含めて、やはりバロックは重要だな~と。バロックはかなりオールマイティなんじゃないかということを思いました。自分でも、2声3声の聴き分け、弾き分けをするための過程で、懸命に他の人々の演奏も聴いてまわり、耳が育ったということを感じています。

この記事だけじゃ当然まとめきれないので、気になる人はぜひ本を読みましょう笑(まわしものではありませんw)
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コメント
この記事へのコメント
ゆきなぎさんどうもです!

本当にねぇツェルニーったらねぇと言いたくなります(^^;)
重要なテクニックが入ってる事はわかるんですけど、私個人的には面白くは無いですねぇ…。
本当に抜粋でいいんじゃないの?とか思ったりしながらも、先生についてる身ですのでやっています…。
バッハは指の独立の練習になりそうですね。
速く弾けば指さばきの訓練にも。
それでいて音楽性が素晴らしく飽きる事が無いのでバッハだけでいいんじゃない?とも…。
2016/09/18(日) 20:57 | URL | ね~み♪ #-[編集]
私の調べた印象、聴いた印象、後はピアノ以外の経験からの判断ではありますが、ゆきなぎさんが書いてる通りだと思います。

チェルニーの練習曲シリーズは、本当は非常に取り扱い注意な教材だと思ってます。
王道ってよりも、むしろかなり特異な存在に思えます。

嗜好性と技術水準がピタッとはまってる状態で使えば、実際に言われている以上の効果がありそう。

めっちゃ存在感があるので、いずれ何曲か体験してみようと思ってます。
2016/09/19(月) 00:20 | URL | モル作 #-[編集]
ね~みさん
> ゆきなぎさんどうもです!

どうもです!

ね~みさんもツェルニーについては色々考えておられましたよね。
先生についている場合は、先生の考え方も受け入れる必要が出てきますし、妥協点もあるんだろうなあと思いました。

> バッハは指の独立の練習になりそうですね。
> 速く弾けば指さばきの訓練にも。
> それでいて音楽性が素晴らしく飽きる事が無いのでバッハだけでいいんじゃない?とも…。

ですね~。日本では、バッハと練習曲は別物と考えられているふしがありますが、海外ではそうでないところが多いようです。
特に譜読みがはやい人はバッハを練習曲としても十分やっていけそうですよね。
2016/09/19(月) 10:06 | URL | ゆきなぎ #-[編集]
モル作さん
> チェルニーの練習曲シリーズは、本当は非常に取り扱い注意な教材だと思ってます。
> 王道ってよりも、むしろかなり特異な存在に思えます。

そうですね!よく、大人はツェルニーやらなくても・・・と聞きますが、もし自分が先生の立場だったら子供にこそ、より与えるのを躊躇すると思います。もしそれで、ピアノがつまらない、苦痛、そしてやめるとなってしまっては、何のためのピアノなのかとなりますし。音楽は、楽しむ心、感動する心、表現したいと思う心、そういうものから生まれてくるものなのではないかと思うからです。

> 嗜好性と技術水準がピタッとはまってる状態で使えば、実際に言われている以上の効果がありそう。

そうですね、嗜好性はもちろん、その技術水準というのも重要ですよね。

日本はちょっと導入がはやすぎる感じはしますね。やたら速く弾くことを推奨している傾向を感じるからか、よりそう思えます。
ツェル30の楽譜にしても、とんでもない指定テンポが書いてあるので、初心者でもそれに影響されてしまいますね。カワイのデジピに入っているやつは、30-1が四分音符=120になっていて、そのくらいが全音でいう第3過程入りくらいで最初に取り組むのにはいいんじゃないかと思います。さっき書いた取り扱い注意と関係した理由で、極度な反復練習は手を傷めかねないですね。

> めっちゃ存在感があるので、いずれ何曲か体験してみようと思ってます。

実際にモル作さんが弾いてみてどう思ったかというのも知りたく思います。
2016/09/19(月) 10:26 | URL | ゆきなぎ #-[編集]
私も、モシュコフスキーの20の練習曲は何曲も弾きましたが、とても美しいし、充実していて楽しかったです!好みが似ているかも・・・と思いうれしくなりました(笑)。
ツェルニーは40番くらいになると、わあきれい!とか、たのしい!と思えるレベルまで仕上がらないのでやる気が継続しませんね自分の場合。

バッハのプレリュードは十分練習曲として使えそうって思いました。挑戦してみたいです!!ジグソーパズルみたいで大好きです♪
2016/09/22(木) 11:21 | URL | ina-kibi #FmSL4M/k[編集]
ina-kibiさん
コメントありがとうございます。

> 私も、モシュコフスキーの20の練習曲は何曲も弾きましたが、とても美しいし、充実していて楽しかったです!好みが似ているかも・・・と思いうれしくなりました(笑)。

ina-kibiさんもモシュコフスキー20弾かれてたのですね!美しい曲多いですよね。「21世紀のツェルニー」にも、ツェルニー40が好きでなかったピアニストの人がモシュコフスキーを渡されたとき、飛び上がるほど嬉しかったと書いてありました。僕は2曲弾いたところで、4年くらい前、ピアノ自体の休止期間に入ってましたが、最近、また何曲か弾いてみようかなと弾きたい曲リストに何曲か入れてました。
ina-kibiさんとは、三善晃さん、舘野泉さん、モシュコフスキーと3つもかぶってますよね。三善さんと舘野さんの件で気になっていたので時々ブログ訪問してたのです。

> ツェルニーは40番くらいになると、わあきれい!とか、たのしい!と思えるレベルまで仕上がらないのでやる気が継続しませんね自分の場合。

ああ~ina-kibiさんもそうなんですね。
ツェルニー40、試しにちょっと弾いてみたことありましたが、これを続けていこうという気にはなりませんでした。
苦痛苦痛と言う人が多いのに納得がいきました。

> バッハのプレリュードは十分練習曲として使えそうって思いました。挑戦してみたいです!!ジグソーパズルみたいで大好きです♪

パッハも好きなんですね!!はまったらはまりますよね。途中からなおさら面白くなってくるからバッハは癖になります。
2016/09/22(木) 22:19 | URL | ゆきなぎ #-[編集]
バッハ最強説に同感です。私がいつも別次元で苦労するのがバッハです笑

モシュコフスキーも良いですね~。憧れます笑 特にスペイン奇想曲(Op.37)が好きで、エチュードだとOp.72あたりにショパンエチュードの練習にダイレクトに役立ちそうだなと思う曲がいくつも入っている印象を受けました。

・・・ですが、私の先生は「ツェルニー50の後にモシュコを弾いた」そうで、それを聞いた瞬間、何かもう気が遠くなるような距離を感じましたけど笑

ツェルニーは使うにしても、取り組む曲を選んだ時点で楽譜をざっと見て、その中で難しそうだと思うパッセージがあるならば、先に対応するツェルニー曲をさらっておく。という使い方の方が効率が良いと思いますが、ただそれを実現させるためには、先生がツェルニーを熟知している必要性が出てきますね(笑
2016/09/23(金) 16:59 | URL | ゆにくあ #-[編集]
ゆにくあさん
ゆにくあさん
> バッハ最強説に同感です。私がいつも別次元で苦労するのがバッハです笑

バッハは、バッハ以外の曲ではあまり使わない要素が集中して入っているように思います。
見開き2ページでも他の曲より時間を要しますね。

> モシュコフスキーも良いですね~。憧れます笑 特にスペイン奇想曲(Op.37)が好きで、エチュードだとOp.72あたりにショパンエチュードの練習にダイレクトに役立ちそうだなと思う曲がいくつも入っている印象を受けました。

そのようですね。15の練習曲(op.72)を何曲か弾いたらショパン・エチュードに入れるというのをどこかで読みました。

> ・・・ですが、私の先生は「ツェルニー50の後にモシュコを弾いた」そうで、それを聞いた瞬間、何かもう気が遠くなるような距離を感じましたけど笑

先生はツェル50を終わらせないと弾かせてくれない感じなんですね。
「ピアノ教材難易度表」http://www2.sinfonia.or.jp/~klavier/piano/level/level.htm
を見てもop.72(モシュコフスキー15の練習曲)は50番程度になっているけれど、op.91(モシュコフスキー20の小練習曲)はツェルニー40番程度になっているから、モシュコフスキー弾きたいけど、op.72は厳しいと思う人はこちらから選曲もよさそうです。僕が弾いたのはもちろんop.91です。

> ツェルニーは使うにしても、取り組む曲を選んだ時点で楽譜をざっと見て、その中で難しそうだと思うパッセージがあるならば、先に対応するツェルニー曲をさらっておく。という使い方の方が効率が良いと思いますが、ただそれを実現させるためには、先生がツェルニーを熟知している必要性が出てきますね(笑

そうなると、先生のツェルニー熟知度が必要になってきて、自分だけではどうにもならないということになりますね笑

そういえば、パッセージではないのですが、最近、黒鍵の多い調に苦労しているので、モシュコフスキー20(op.91)から、フラット6個のやつを弾いておこうかと思っていたのですが、練習曲のそういう使い方は効果ありそうですね。
2016/09/24(土) 07:13 | URL | ゆきなぎ #-[編集]
なるほどー チェルニー、極東アジア地域は似たような受容のされ方なんですね。たしかバイエルもそんな感じとかどっかで読んだような気がします。

チェルニー=鬼畜メカニック大魔王っていう悪評の割に、ゆきなぎさんの音源聞いた感じでは、「え、でもこれ嫌いじゃないかもw」っていう感じはしましたw まあ、自分は当分チェルニーをどうこう考えるレベルじゃないのであれですがw

それより、「その他、とりわけ重要なこと」以降の記述に興味津々でした!
ここでもミクロコスモスとMiyosi!そしてバッハ!

ネイガウスって言う名前は『青の祓魔師』で初めて知りましたがw(ロシア系の名前だったんですね)、ピアノのネイガウス先生も、何かの本でチラっと見た気がします!なんか評判いいらしいですよねネイガウス先生。敢えて主流派の意見に異を唱えるとこがカッコイイ

あーますますバロック早くやりたくなってきました!!
とにかくはよバスティン終えて、ピアノ大迷宮の入り口に立たないと!がんばりまーすw
2016/09/26(月) 00:37 | URL | くだダヰナ #-[編集]
くだダヰナさん
> なるほどー チェルニー、極東アジア地域は似たような受容のされ方なんですね。たしかバイエルもそんな感じとかどっかで読んだような気がします。

おお、そんな情報が!と調べたら、バイエルはほとんど使われていないが、中国・台湾・韓国では日本ほどではないが使われているとありました。

> チェルニー=鬼畜メカニック大魔王っていう悪評の割に、ゆきなぎさんの音源聞いた感じでは、「え、でもこれ嫌いじゃないかもw」っていう感じはしましたw まあ、自分は当分チェルニーをどうこう考えるレベルじゃないのであれですがw

鬼畜メカニック大魔王!wwまさにそんな感じですね!
100番とか125番、110番などは、短くてなかなかいい曲があり、小さな手のための25の練習曲はツェルニーの中では最も音楽的のように思いました。30番や40番はメカニカルな面を強調してつくられているから、曲としては退屈と言われても仕方ないのかもしれないと思います。ツェルニー自身も、40番は「速度練習曲」というタイトルをつけているようですし。
ツェルニーは初心者でも弾けるものはいろいろありますが、そういうのが面白いかというと微妙だなあと個人的には思いました。100番も初心者でも最初の方は弾けますが、途中で急に難しくなってきます。

> それより、「その他、とりわけ重要なこと」以降の記述に興味津々でした!
> ここでもミクロコスモスとMiyosi!そしてバッハ!

紹介されているものはすべて両手をしっかり使うものなので、やはり最初の方でポリフォニックな動きを取り入れておくことが推奨されているようですね。

> ネイガウスって言う名前は『青の祓魔師』で初めて知りましたがw(ロシア系の名前だったんですね)、ピアノのネイガウス先生も、何かの本でチラっと見た気がします!なんか評判いいらしいですよねネイガウス先生。敢えて主流派の意見に異を唱えるとこがカッコイイ

ネイガウス先生、この記事を書いた後に調べたら、リヒテルの先生ということで「おお!」と思いました。

> あーますますバロック早くやりたくなってきました!!
> とにかくはよバスティン終えて、ピアノ大迷宮の入り口に立たないと!がんばりまーすw

バッハ好きと言われてましたね。くださんのバロックが聴ける日が楽しみです!
バスティンの記事もとても面白くて、読むとバスティンの教本が欲しくなってしょうがないです笑
2016/09/26(月) 23:26 | URL | ゆきなぎ #-[編集]
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